旅と芸術は人生を豊かにする

旅行と音楽、美術への想いを綴るページ。

階段で登る思い出

ヨーロッパ旅行から帰ると足が鍛えられたように感じることがあります。毎日たくさん歩いて観光していますから、少し筋肉質になった感じがしてうれしいです。

鉄道の旅や街中での地下鉄、トラムでの移動もありますが、なんといってもまずは歩きです。初めて訪れた街をひたすら歩いてみる。これが旅の楽しみの第一歩です。事前に地図を見て街の様子、大きな通り、公園、観光名所、教会や劇場などは何となくわかって歩いていますが、実際に歩いてみないとわからないこともたくさんあります。

街は平ではないですから坂や階段、高低差があります。地図では想像できない街の様子です。繁華街でも小さなお店が並ぶところと、デパートなどの大型店舗が並ぶところでは大きく様子が違います。メインストリートのはずが少し外れまで来るとなにもなく、お店もなかったりしますし、食事の選択肢にも困ることもあります。住宅街を歩くのも楽しいです。国によって家の形、色、ドアノブ、鍵などその違いを眺めながら歩くは楽しいです。普通に生活している現地の人が出てきて、話していたり、花に水を上げたり、パン屋やスーパーなどで買い物する。こんな散歩をする旅で一日に何時間も歩くおかげでが足が鍛えられています。

もう一つヨーロッパの楽しみは塔に昇ることです。古い街の塔はもちろんエレベーターなどはなくひたすら階段で昇ります。古い建物が多い国の方が断然その楽しみには増えると思います。

ペーター教会 ミュンヘン

ミュンヘンの中心部、市庁舎を曲がりヴィクトゥアーリエンマルクトに向かう途中のペーター教会は以前は1.5€くらいだったと思うのですが、かなり安価で昇ることができます。もちろんエレベーターなどはなく全部階段です。入口の小屋すら趣があります。お土産なども売りながらチケットを売っていますが、チケットといっても紙切れのような券を入場券として買います。あとはかなり狭い階段をひたすら昇るのですが、途中外国人と譲り合いながら、励まし合いながらテラスを目指します。長く使っているであろう木の階段の真ん中が減って凹んでいるのです。通っていた木造の小学校を思い出しました。テラスからの眺めは格別です。市庁舎とフラウエン教会を同時に収めるアングルがガイドブックでもよく目にする絵です。塔に昇り街の大きさ、遠くに見える別の街やその先に見える山並みを眺め、またこの街に来れたなあと実感しています。

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途中大きな鐘を間近に。そしてこの眺め。

 ジョットの鐘楼とドゥオモのクーポラ フィレンツェ

花の都フィレンツェはコンパクトでドゥオモを中心にまさにルネッサンスのを感じられる街です。以前はイタリアの各都市では駅などでスリが多く、緊張感が高かったのですが、2017年の旅行では私が年をとったせいかもしれませんが、以前より危なげな感じを受けることがなくなりました。どの都市でもそう感じました。ウフィツィ美術館、サンマルコ美術館をはじめ美術の見どころも多いですが、ドゥオモは圧倒的な存在感があります。隣のジョットの鐘楼とドゥオモの天蓋クーポラに昇ることができますが、初めて訪れたときは迷った挙句、ジョットの鐘楼に昇りました。400段を超える階段をひたすら昇るのですが、途中、鐘楼の鐘が鳴りはじめ、足を止めて聴いた鐘の音はとても大きく鳴り響き、その状況と合わせ忘れられないものになりました。眺めはよく覚えていませんが。。その後、二回目の訪問ではドゥオモのクーポラに昇りました。高さではこちらの方が高く、フィレンツェの屋並みの茶色をよく覚えています。階段の途中開けた場所に出て教会の中がよく見えるのですが、あまりの高さにただの模様にみえて、はじめは床面であることがよく理解できませんでした。またクーポラは丸いので階段が屋根に合わせ傾いています。手をつきながら、体を傾けて昇っていきました。ちょうど大学生の落書きが話題になっていましたが確かに世界各国の言葉で日付と名前などが書かれていました。

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ジョットの鐘楼と上からの眺め

 

サクレクール パリ

パリはノートルダムエッフェル塔、モンパルナスなどエレベーターで上がれる高いところもありますが、なんといってもモンマルトルの丘、サクレクールがおすすめです。モンマルトルの丘は散歩にはもってこいの雰囲気があるところです。遅くまで食べ物屋さんもやっていますし、行きと帰りを違う道にするだけでも十分に楽しめる地域です。その一番高いところにはサクレクール寺院が建っています。寺院の前の階段に座ってパリの街を眺めるのも、夕方ノートルダムの方に夕日を見るのも格別です。そしてここにも階段で昇れる塔があります。これまでの塔の中で一番きつかった理由はひたすら狭い空間を昇り続けないといけないのです。その上途中外が全く見えないので苦行のようです。筋肉を鍛えているかのように昇ると突然パリが眼下に広がります。ほんとに視界が広くパリの街を感じることができます。建物の下では見えなかったエッフェル塔までも見えてきます。パリはほんとに美しいと感じさせるここからの景色は格別です。決して広くないこの場所の上、ちゃんとした値段、たしか6ユーロくらいしたので混んでいませんでした。また訪れたいパリです。

 

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サクレクール 寺院前の階段から
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パリの眺め
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パリの眺望


サンピエトロ大聖堂  バチカン市国

番外編

眺めはよく覚えています。広場が眼前に広がって、その先にはサンタンジェロ城が立っています。美しいローマの景色です。しかしながらバチカンはいつもすごい行列なのです。広場に着くとめげるほどの大行列で今日一日はこの行列に並ぶだけで終わってしまうのではと思うほどです。とにかく人の多さに圧倒されます。さすがにカトリックの総本山です。初めて訪れた時は友人から教皇の交代で訪れる人が多いと聞きました。

ここにならぶのかぁ、ととりあえず並び始めるのですが、この列は教会の中に入るための列なのか?クーポラに進む列なのか?と近くまで行かないとわからなく不安になります。以外に早く進む気がしますが広場があまりに広いから錯覚なのかもしれません。広場の聖人像を見ながら並びますが、気がつけば30分、1時間と経っています。バチカン美術館も建物に入る前から壁に沿って長蛇の列でした。ですので、あまり途中を覚えていないのです。そして着いてからも人人人。ゆっくり眺めを、なんて感じではありませんでした。ですので番外編。