旅と芸術は人生を豊かにする

旅行と音楽、美術への想いを綴るページ。

としまえんの思い出 

としまえんが2020年8月末をもって閉園してしまいます。何年か前から噂はありましたが、今年になって急に決まり発表。そして1,2年後には閉まってしまうのかと思いきや今年の、それも8月という早さで閉園が決まりました。

としまえんは1926年開園ということでこれまでに94年の歴史ということです。私は大学生になり上京し豊島園の駅の近くにアパートを借り住み始めたのが約30年前、それから練馬区の住民としてとしまえんの近くで過ごしてきました。

毎日、西武線の豊島園の駅を利用しました。駅の位置は以前から変わっていませんが、周辺の様子はだいぶ変わってしまいました。様々なことを思い出しています。

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としまえん入口

正確な年代や順は定かではありませんが駅には立ち食いそば屋さんがありました。あまり食べたことはなかったかな。改札を入ったところのシャッターが下りている場所は以前は売店がありました。駅のトイレは変わっていませんね。

以前は駅周辺の食料品は亀寿司のしたのスーパー、たしか名前はハニーマート、くらいだけでファミマもセブンイレブンもなかったので豊島園まで帰ってくると夜は早かったです。駅の正面は今でこそスタバや廻るすしなど二階建てで飲食店が並んでいますが、以前は木馬の会の建物がありました。以前は子供が生まれたら家族で木馬の会に入ろうと思った時期もありましたが入らずじまいでした。

ユナイテッドシネマがある場所は以前は立体駐車場でした。バス停のためのロータリーがあったように覚えています。

ドトールコーヒーは何年か前までマックでしたね。その向かって左の地下の中華料理屋さんはずっーとあります。が一回入ったことがあるような?

マンションも何件か建ちましたが、改札をでて右のすぐにはパチンコ屋さんがありました。込み合うことはない駅前のパチンコ屋さんでした。

そのパチンコ屋さんの景品交換所の窓口があったところは今ラーメン狸穴。以前は南宮橋のたもとで屋台で営業していましたが、店舗になって20年くらいでしょうか?通算何杯のラーメンを食べたのだろう?

ここまで思い出しても高校生まで過ごした田舎からでてきてはや30年。練馬区に住んで30年。懐かしさを感じるような長さになりました。

そしてとしまえん、家族で最後に訪ねてきました。なんだか寂しい気持ちになりました。大学生のころや働きはじめてからはほとんど行くことがありませんでした。ただいつも前を通り駅を使うだけ。夏の花火も夏は週末が忙しかったですし、夜は稽古だったりであんまり見ることがなかったなぁ。でも子供が生まれて、やっと遊園地の乗り物を楽しむような年齢になってきたのですが終わっちゃうのですね。

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のりもの

一時間半並んでフライングパイレーツに乗りました。たくさん待っている列や練馬の街並み、マンションなどが揺れて上に行く度に見えました。遠くからもこの乗り物はいつも良く見えていました。本当ならたくさん乗れるはずなのにこの時期、半数以外。ほんととしまえん運が悪い。

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眺め

なんといっても春の桜はとしまえんの名物です。歴史を感じる大きな樹が石神井川に並び、満開の時は肌寒いながらも夜桜を見るのが楽しみでした。

あじさいは田舎から両親が出てきたときに連れていきました。

夏のプールはその年の気候に左右されました。梅雨明けが遅かったり、週末の度に雨が降ったり。それでも少しでもすいている暑い日を狙って急なタイミングで行くことが多かった。家が近いとこの上なく楽チンです。1日水に浸かって疲れきってもすぐ帰れましたから。

冬のスケートに一番たくさん行きました。子供は毎年、スケート教室に入っていましたのでこの冬からなくなったらスケートから遠ざかる気がします。

従業員の人とは行きつけの飲み屋でいつも会う仲なこともとしまえんを身近に感じる理由かもしれません。

としまえん終わってしまうのですね。いままで当然のようにあったものがなくなる。閉園が近づくにつれ、悲しさが増してきています。

いままでありがとうございました。

 

神秘の子羊 ベルギーの見どころ

ヤン・ファン・エイク作の「神秘の子羊」。2019年私の旅にとってベルギーのゲントにある聖バーフ大聖堂を再度訪ね、この祭壇画を観ることが旅の大きな割合を占めていました。

遡ること10年前の2009年1月新年早々の演奏会を終え、次の日から一人ヨーロッパに旅立ちました。この旅の目的はその頃から俄然興味を持ち始めていた美術鑑賞の旅です。成田からオランダ、スキポール空港へ直行便で入り、ユーレイルパスで鉄道の旅をし、ドイツ、フランクフルトから帰国する日程を組みました。オランダ、ベルギー、ドイツを毎日のように移動して、ホテルも1,2泊ほどで連泊もほどほどに、各都市11の美術館を訪ねることができました。レンブレント、フェルメールゴッホという憧れの画家の絵を連日鑑賞し、また毎晩のようにチケットを取って各都市のホールで演奏会を聴きました。

その中でブリュッセルから日帰りで訪ねたのがゲントです。多くの美術館を調べる中で見たい絵やたくさんの作品が見られるであろう画家を調べますが、事前の準備をする中でこの「神秘の子羊」に出会いました。美術館ではなく、教会にある一枚の絵をみるためにゲントを予定に入れました。

駅から教会のある街の中心にはトラムに乗り向かいお昼頃に着きましたが、お昼の間は休憩時間として部屋を閉めて見学できなくなっていました。しばらく街を散策し、軽食を食べてから再度向かったことを覚えています。

1月の半ば、外は真冬の寒さで人もまばらでした。教会に入ると薄暗いながらも風が遮られほっとした気持ちになります。一角にある祭壇画の展示室はやはり人が少なく、ほぼ独占できるような状況でした。

画集ではわからない、この絵の大きさに圧倒されました。そして焦点があてられた子羊、それに向かって集まる人々、賛美する人、上段の聖人がファン・エイクのち密な筆で一面に広がっていました。解説を手に1時間近く、近づいて細かい部分を一つづつ見たり、離れたりしながら向かい合いました。

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美しい街並みのゲント、聖バーフ大聖堂

ヤン・ファン・エイクは15世紀北ヨーロッパ、フランドルの画家、油絵を完成させたと言われています。画面には奥行きがあり遠くの情景まで繊細に書き込まれています。細かいだけではなく、表情の美しさや多くの意味を持っていることに魅力を感じます。

このあとロンドンのナショナルギャラリーでの「アルノルフィーニ夫妻の肖像画」、ルーブルの「宰相ロランの聖母」などでも同じようにこの画家を魅力を感じることができました。

 2019年再度ベルギーを訪れることになり、すぐにゲントの再訪問を決めました。全日空ブリュッセルに直行便が飛んでいることはヨーロッパにベルギーから入るよいきっかけになりました。成田を午前の便に乗り、ブリュッセルに着くと、電車に乗り夕方にはブリュージュのホテルにチェックインすることができます。

ブリュージュに二泊し鐘楼からの眺望や遊覧船、グルーニング美術館を楽しみました。またブリュージュはパリなどの大都会などに比べすいていることもあり、過ごしやすくレストランも多く、おいしい食事を楽しめました。

3日目に朝早くチェックアウトしブリュージュの駅からブリュッセル方面に乗り1時間、ゲントを目指します。ゲントの駅は壁の模様が非常に美しい駅です。大きなコインロッカーがあり、日帰り観光でも大丈夫です。スーツケース大のロッカーがいくつもあります。身軽になったら街の中心部までは歩きでは30分以上かかりますのでトラムに乗ります。駅舎を出て左前方にトラムの乗り場がいくつかあります。券売機でチケットを買い1番のトラムに乗ります。メインの路線ですのでその先の観光地まで乗って戻ってくるのもいいかもしれません。時間が12時前もしくは13時を過ぎていたら聖バーフ大聖堂をまずは見学したいです。その間は「神秘の子羊」は祭壇画がしまっています。

私は11時ころに着き祭壇画の部屋を目指しました。4ユーロの見学料を払い中に入ると人だかりになっていました。1ユーロでオーディオガイドを借りると日本語での解説を聞くことができます。1枚1枚の解説を聞き近づき遠ざかりながら10年ぶりのこの絵をじっくりと見ることができました。一人一人の人物の表情、服や持ち物、楽器などやはりヤン・ファン・エイクのち密な絵に引き込まれました。以前もそうだったのか?絵の裏側にも通路があり、開いたときの扉の絵が裏側で見ることができます。こちらも白い石膏風の聖人像と寄進者の祈る様子がかかれています。1時間近く見学し、12時になろうという頃、係の人がカギの掛かった絵の部屋に入り、祭壇画の扉を閉め始めました。するといままで左右にわかれていた表紙画が1枚の画面になってみることができたのです。予想外のことでしたので新たな1枚が見れたような感激でした。祭壇画、表紙画どちらも見ることができ満足し教会を後にしました。

この「神秘の子羊」の見学だけでも十分にベルギーを楽しめると思っていましたが、その後のゲントは遊覧船からの街並み、多種のビールのおいしさがあり次回は泊りたいと思いましたし、ブリュージュブリュッセルでの食事のおいしさもありベルギーはまた来たいと思う国の一つです。

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周辺の工事も終わった?10年ぶりの聖バーフ大聖堂
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遊覧船からの眺め
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ゲントの街並み



 

階段で登る思い出

ヨーロッパ旅行から帰ると足が鍛えられたように感じることがあります。毎日たくさん歩いて観光していますから、少し筋肉質になった感じがしてうれしいです。

鉄道の旅や街中での地下鉄、トラムでの移動もありますが、なんといってもまずは歩きです。初めて訪れた街をひたすら歩いてみる。これが旅の楽しみの第一歩です。事前に地図を見て街の様子、大きな通り、公園、観光名所、教会や劇場などは何となくわかって歩いていますが、実際に歩いてみないとわからないこともたくさんあります。

街は平ではないですから坂や階段、高低差があります。地図では想像できない街の様子です。繁華街でも小さなお店が並ぶところと、デパートなどの大型店舗が並ぶところでは大きく様子が違います。メインストリートのはずが少し外れまで来るとなにもなく、お店もなかったりしますし、食事の選択肢にも困ることもあります。住宅街を歩くのも楽しいです。国によって家の形、色、ドアノブ、鍵などその違いを眺めながら歩くは楽しいです。普通に生活している現地の人が出てきて、話していたり、花に水を上げたり、パン屋やスーパーなどで買い物する。こんな散歩をする旅で一日に何時間も歩くおかげでが足が鍛えられています。

もう一つヨーロッパの楽しみは塔に昇ることです。古い街の塔はもちろんエレベーターなどはなくひたすら階段で昇ります。古い建物が多い国の方が断然その楽しみには増えると思います。

ペーター教会 ミュンヘン

ミュンヘンの中心部、市庁舎を曲がりヴィクトゥアーリエンマルクトに向かう途中のペーター教会は以前は1.5€くらいだったと思うのですが、かなり安価で昇ることができます。もちろんエレベーターなどはなく全部階段です。入口の小屋すら趣があります。お土産なども売りながらチケットを売っていますが、チケットといっても紙切れのような券を入場券として買います。あとはかなり狭い階段をひたすら昇るのですが、途中外国人と譲り合いながら、励まし合いながらテラスを目指します。長く使っているであろう木の階段の真ん中が減って凹んでいるのです。通っていた木造の小学校を思い出しました。テラスからの眺めは格別です。市庁舎とフラウエン教会を同時に収めるアングルがガイドブックでもよく目にする絵です。塔に昇り街の大きさ、遠くに見える別の街やその先に見える山並みを眺め、またこの街に来れたなあと実感しています。

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途中大きな鐘を間近に。そしてこの眺め。

 ジョットの鐘楼とドゥオモのクーポラ フィレンツェ

花の都フィレンツェはコンパクトでドゥオモを中心にまさにルネッサンスのを感じられる街です。以前はイタリアの各都市では駅などでスリが多く、緊張感が高かったのですが、2017年の旅行では私が年をとったせいかもしれませんが、以前より危なげな感じを受けることがなくなりました。どの都市でもそう感じました。ウフィツィ美術館、サンマルコ美術館をはじめ美術の見どころも多いですが、ドゥオモは圧倒的な存在感があります。隣のジョットの鐘楼とドゥオモの天蓋クーポラに昇ることができますが、初めて訪れたときは迷った挙句、ジョットの鐘楼に昇りました。400段を超える階段をひたすら昇るのですが、途中、鐘楼の鐘が鳴りはじめ、足を止めて聴いた鐘の音はとても大きく鳴り響き、その状況と合わせ忘れられないものになりました。眺めはよく覚えていませんが。。その後、二回目の訪問ではドゥオモのクーポラに昇りました。高さではこちらの方が高く、フィレンツェの屋並みの茶色をよく覚えています。階段の途中開けた場所に出て教会の中がよく見えるのですが、あまりの高さにただの模様にみえて、はじめは床面であることがよく理解できませんでした。またクーポラは丸いので階段が屋根に合わせ傾いています。手をつきながら、体を傾けて昇っていきました。ちょうど大学生の落書きが話題になっていましたが確かに世界各国の言葉で日付と名前などが書かれていました。

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ジョットの鐘楼と上からの眺め

 

サクレクール パリ

パリはノートルダムエッフェル塔、モンパルナスなどエレベーターで上がれる高いところもありますが、なんといってもモンマルトルの丘、サクレクールがおすすめです。モンマルトルの丘は散歩にはもってこいの雰囲気があるところです。遅くまで食べ物屋さんもやっていますし、行きと帰りを違う道にするだけでも十分に楽しめる地域です。その一番高いところにはサクレクール寺院が建っています。寺院の前の階段に座ってパリの街を眺めるのも、夕方ノートルダムの方に夕日を見るのも格別です。そしてここにも階段で昇れる塔があります。これまでの塔の中で一番きつかった理由はひたすら狭い空間を昇り続けないといけないのです。その上途中外が全く見えないので苦行のようです。筋肉を鍛えているかのように昇ると突然パリが眼下に広がります。ほんとに視界が広くパリの街を感じることができます。建物の下では見えなかったエッフェル塔までも見えてきます。パリはほんとに美しいと感じさせるここからの景色は格別です。決して広くないこの場所の上、ちゃんとした値段、たしか6ユーロくらいしたので混んでいませんでした。また訪れたいパリです。

 

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サクレクール 寺院前の階段から
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パリの眺め
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パリの眺望


サンピエトロ大聖堂  バチカン市国

番外編

眺めはよく覚えています。広場が眼前に広がって、その先にはサンタンジェロ城が立っています。美しいローマの景色です。しかしながらバチカンはいつもすごい行列なのです。広場に着くとめげるほどの大行列で今日一日はこの行列に並ぶだけで終わってしまうのではと思うほどです。とにかく人の多さに圧倒されます。さすがにカトリックの総本山です。初めて訪れた時は友人から教皇の交代で訪れる人が多いと聞きました。

ここにならぶのかぁ、ととりあえず並び始めるのですが、この列は教会の中に入るための列なのか?クーポラに進む列なのか?と近くまで行かないとわからなく不安になります。以外に早く進む気がしますが広場があまりに広いから錯覚なのかもしれません。広場の聖人像を見ながら並びますが、気がつけば30分、1時間と経っています。バチカン美術館も建物に入る前から壁に沿って長蛇の列でした。ですので、あまり途中を覚えていないのです。そして着いてからも人人人。ゆっくり眺めを、なんて感じではありませんでした。ですので番外編。

自粛期間の過ごし方。CDやDVDを買わなくなった。

自宅で過ごす時間が長くなって、何をして過ごすか?は4月の悩みでした。

買ったまま読んでいない本を読む。聴いていないCDを聴く。観ていないDVDもしくは録画したテレビを観る。

読んでいなかった本を読みました。また以前に読んだ本も再度手に取り読みました。 もともと長時間一冊に集中して読むことはないですし、家族と一日中家で過ごしている中、一人で本に向かう時間を取るのはなかなか難しいことでした。読書は移動の電車などの中や空き時間の休憩時が多かったので、家でじっくりと読むことに集中するのは慣れないことでした。図書館は閉館していました。その時折の興味に合わせて予約したり、選んだりしに行く図書館がしまっているのは不便でした。本屋は何度か行きました。しかし、仕事がなく不安な時に本を買う気持ちがわきにくかったです。逆に部屋の掃除や片づけをする中で本棚から何冊もブックオフに持って行き売りました。本棚は整理され本が減ってしまい本を読むという作業にはマイナスだったかもしれません。

聴いていないCDを聴いたか?こちらもそれほどの時間を費やすことはありませんでした。音楽家でも様々なジャンルや演奏を鑑賞するタイプとほとんど人の演奏を聴かないタイプがいると思います。前者はもともとクラシックが好きで、もしくは自身が演奏家になるきっかけでもあったりして、自分の演奏、仕事と関係ないジャンルを聴いたりもします。古い演奏家の独特な解釈や珍しい作曲家、作品に詳しく本業の方よりも詳しい方もいます。そういう方はCDなど時にはレコードなども鑑賞として楽しんでいると思います。後者は資料として何種類か買い、自分が演奏のために事前に聴き比べをして好みを選んでいくために聴きます。また特定の好きな演奏家のものだけコレクションするように集め、この人だったらどのように演奏するか、という聴き方もします。

私としては2:8くらいで鑑賞するという接し方も以前からありました。自粛期間、これを機に長いオペラを止めながら見たり、聴いたことのない交響曲の番号を聴くこともありました。しかし演奏の予定もたたないままCDを聴く気持ちにはなかなか慣れませんでした。そしてもう一つの理由にyoutubeでの情報量の多さによるところがあると思います。次々といくつもの映像が表示され、旅や食べ物の映像、お金の稼ぎ方や時事ネタ、作曲家を入れれば何種類もの映像が出てきます。珍しい作品も含め出てこない曲はありません。それも無料です。おかげで資料としてCDを買わなくなりました。

演奏会を聴きに行き生で演奏を聴くのは絶対的に必要な心の栄養と信じています.

それ以外、CD、DVD、youtubeは差がなく、音質とかにもこだわりはなく接してします。CDよりもyoutubeとなってきたのは演奏だけでなく映像によるところも大きいです。弾いている姿、歌ったいる姿を見るのは音楽を聴くだけよりも面白くためになることもあります。映像の力はより大きいです。

クラシックのDVDはもともと高価なものが多く演奏者も作品も限られています。資料としては高価ですし、そもそもそれほど多く売れるものではないからか新しいもの、珍しいものが次々と発売されるわけではありません。

他のジャンル、アイドルやお笑いなどのDVDはどのくらい売れるのでしょう?

自粛期間中様々な演奏家がネットでのライブ配信をし、話題が集まりました。無料で日々配信する人、演奏会が中止になったことで代わりに有料の配信を試みるなどがありました。今後有料でのネット演奏会など広がっていくのでしょうか?無料のものとどのくらい差を付け有料にできるのか?広く配信することによって演奏についてのコメントなど感想や評判など良い面、悪い面などコントロールできるのか?無料で見た後、DVDとして発売して売れるのか?など考えるところはあります。

ネットでの鑑賞が広がれば時間も選べるようになります。ライブ配信を深夜にやったり、収録したものならいつでも見れます。客席数も地域も関係なくなります。観客の参加なども工夫しながらできるかもしれません。こんなところに技術や工夫で差別化が出てくるかもしれません。

クラシックの音楽はチケットを買って、会場に行き、生の演奏ならではよかったり、まあまあだったりというリスクを負いながら長時間じっと鑑賞するものですから、今後、そんな形態がこれを機に変化していくのかもしれませんし、変化しないと残っていかないのでは、とまで考えてしまいます。

CDもDVDもすっかり買わなくなってしまいました。今度は演奏会に行かなくなりました。となってしまうのは怖いことです。鑑賞することがなくならないでほしいですし、愛好家やアマチュアが演奏し、クラシック音楽を楽しみ向上しようとし続けてほしいと思っています。