旅と芸術は人生を豊かにする

旅行と音楽、美術への想いを綴るページ。

ヴァポレット ヴェネツィアの旅

コロナ禍において世界の情勢が以前より細かく伝えられることがありました。訪ねた場所の現在の様子がその場から伝えられることはうれしくもありますが、訪ねた時とは違い人のいない、変わってしまった様子には悲しく思いながら画面に見入っていました。

とりわけイタリアは感染者数だけでなく死者数の著しい増加が伝えられ、ロックダウン下における住民同士の励まし合いや癒しの音楽を提供する音楽家の様子が悲壮感をも伴いながら報道されていました。

あの、人が行きかいごみごみ、ワイワイとしたイタリアの街から人が消えているのですからとても信じられないような光景でした。

ヴェネツィアからも観光客が消えゴンドラの運行が止まったことから水質が改善された、などの報道もありましたが実際は水質ではなくかき回されていたものが沈殿しただけとの話もありました。

元通りとまではいかなくても、せめて将来もう一度訪ねられる世界が戻ってくるといいのですが。そんな気持ちで写真を紐解いています。

船旅といっても豪華なクルーズのようなものではなく、船での移動がとても好きです。国内でもお台場を中心にした水上バス、横浜や神戸などでの湾内の観光船、関西から四国、九州へのフェリーでの移動などのように好んで船に乗っています。外国ではセーヌ川ブリュージュでの経験しかなく、いつかライン川の川下りやウィーン、ハンガリードナウ川を船で移動する旅をしてみたいと思っています。

外国の旅で船を乗り倒したほど乗ったのはヴェネツィアです。なんといっても主な交通機関は船なのですから。ヴェネツィアにはこれまでに2回訪ねています。2017年の旅ではフランス、リヨンから飛行機で入りました。以前はパリからでしたがどちらもLCCがかなりの安価で飛んでいて時間的にも効率よくイタリア入りすることができます。

LCCでは珍しくないのかもしれませんが、驚いたのは自由席ということでした。どっと乗り込んだ先、ここから後ろにご自由にどうぞと言われたのを覚えています。短いフライトを経てヴェネツィアの空港に着いてからは早速船でと行きたいところですが、水上バスですと一時間強と時間がかなりかかること、ホテルを次の移動に合わせサンタ・ルチア駅の近くに取っていることからローマ広場へ向かう空港バスを利用しました。

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LCCと機内、ヴェネツィア到着

ローマ広場にバスは着きスーツケースを引きながらまずはホテルに向かいます。運河の眺めに気持ちも昂りますが、必ず運河を渡らなければならずかなり重くしんどい思いをします。

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ローマ広場からホテルへ


ホテルにチェックインし荷物を置いてから街歩きが始まります。といっても歩く前にまずはヴァポレット(水上バス)の24時間チケットを購入します。このチケットでヴァポレットを乗り倒すのです。以前に来たときはなかったタッチ式の改札がありました。地図には路線図?がありメインの運河グランカナルを各駅停車、快速のヴァポレットが走っています。眺めもいいですし、水面が近い。冷たい風すら気持ちいい。少々水がかかっても必ず外の席です。

 

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ヴァポレットから


まずはリアルト橋でおり散策します。橋の上は沢山の人が写真を撮るために立ち止まっています。眺めはガイドブックの表紙で見る絵です。この右側のいくつかのレストランは眺めに反して雰囲気、店員さんの態度があまりですのでお勧めしません。

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リアルト橋と橋の上から

私は調べていたバーカロ(立ち飲み)を目指しました。中が見えず扉を開ける勇気がいりましたが、入ってみれば心地よい立ち飲みワインをしばし楽しみました。(写真無)。座って食べるレストランはかなりの値段になりますが、ワインと少しつまんで安価で雰囲気もよいとなれば他のバーカロを探したり、再度訪れたくなります。

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リアルトと市場周辺

ここからは歩いてサンマルコ広場を目指すもよし、再度ヴァポレットに乗るもよし。

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歩いて目指しました。

ショーウィンドーを眺めながら、左右の建物を見上げながら、細い運河を越えて何枚もの写真を撮りながら、迷うような道を楽しみながら進みます。時折建物にサンマルコ→と書いてありますが、ほんとかな?と思うこともあります。

そして広がる広場はサンマルコ広場。世界一美しい広場と言われながらも、必ずどこか工事中の場所があったり、私はあたっていないですが高潮で水浸しだったり、そもそもガイドブックのように一番よい季節にはなかなか来れないものです。

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鐘楼に上りました。
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左はサンジョルジョマッジョーレ大聖堂

サンマルコ寺院、鐘楼、宮殿など観光のポイントはありますが、ほとんど並ばずに入れるのは冬の季節のおかげか雨のおかげか?ありがたいことです。鐘楼の上からは以前はヴァポレットで訪れたサンジョルジョマッジョーレ大聖堂も美しく見えています。

このあと広場から海側へでて散歩、嘆きの橋を見て次の目的地までのちょうどいい乗り場を探します。

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嘆きの橋と係留された船、ゴンドラ?

外国での乗り物、トラムやバスでもそうですが、目的地に向かうだけでなく乗ること自体に大きな楽しみを見出しています。まさしくヴァポレットはうってつけです。たくさん乗りました。

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ヴァポレット

何種類かあるヴァポレットはそれぞれ座席の位置が違いますし、乗降口の近くにいるときは船員さんのロープ捌きの手慣れた様子を間近で見ることができます。停留所も趣がありますし、橋の下をくぐるのも楽しいです。

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ヴァポレットから

アカデミア美術館はヴェネツィア派を中心にイタリア絵画が多数展示されていますが、この日は偶然祝日?入館無料ということでフリーで入ることができました。このように旅先でこのような特別な日に当たることは、お祭りやクリスマス、大晦日、記念日などを狙って日程を決める以外にはまれなことです。実際上記の日程を組むとかなり高い旅行になります。暇で時間が取れる時期、チケットが安く取れる時期を狙う私としては美術館無料の日なんてのはヴェネツィア滞在も短い中で無料以上にうれしいことでした。

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アカデミア橋と美術館の写真は無

もちろん音楽家としては、劇場のスケジュールを細かく調べます。ヴェネツィアラ・フェニーチェ劇場はタイミングが合わずオペラを観る機会はまだありません。見たい演目や演奏家のスケジュールが旅程の決定に大きく影響がありますが、イタリアではどうしても複数の都市を訪れたいがため、それも一方通行の日程のため見れないことが多くなります。

 

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ヴァポレットで

ゴンドラもありますが一人旅の身としては機会がありません。向こう岸に渡る、渡し船には乗ってみました。ヴァポレットでは前回ムラーノ島も訪ねました。今回は外回りの番号に乗ってみました。暗い夜の海を灯りのない建物に囲まれ長い時間乗ることもできました。こうして何度もヴァポレットを乗り降りしヴェネツィアを楽しみました。もちろフリットイカ墨スパゲッティ、ピッツァも楽しみました。そしてサンタルチア駅から次の都市に向けて電車移動となりました。

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サンタルチア駅から